よくある質問

漏れ電流計の測定レンジにより測定値が大きく異なる

標準測定ロギング写真/図面イベント記録

症状

漏れ電流計のレンジを変更したとき、レンジ間で測定値が大きく異なることがあります。
通常、レンジを変更しても、測定値に大差はありません。

計測器の設定条件

原因

測定している電流に、レンジ範囲以上の大きな高調波成分が含まれている場合、正しく高調波成分を除去できないことが原因です。

対処策

この症状が発生したときは、上のレンジで測定してください。
例えば、60.00mAレンジと600.0mAで大きく異なる測定値が表示されたとき、上のレンジの600.0mAの方が正しい測定値となります。

詳細説明

ここでは一例として、次のような波形を、60.00mAレンジと600.0mAレンジで測定する場合で説明します。

60.00mAレンジの場合

ACリーククランプメータの仕様書より、クレストファクタが3であることがわかります。(クレストファクタについては、下記参照) これは、レンジの3倍にあたる180mAの波高値を持つ波形を測定できることを意味します。それ以上の波高値を持つ波形を正しく測定できません。
この例では、高調波成分の波高値が300mAであるので、正しく測定できません。計測器の内部回路では、下図のように、漏れ電流成分が失われてしまいます。
この波形にフィルターをかけると高調波成分を除去できますが、漏れ電流成分を取り出すことができません。
よって、測定値として、ゼロmAに近い、意味のない数字が表示されます。

600.0mAレンジの場合

クレストファクタが3であるので、レンジの3倍にあたる1800mAの波高値を持つ波形まで測定できます。
高調波成分の波高値が300mAであるので、正しく測定できます。
この波形にフィルターをかけると、高調波成分を除去でき、漏れ電流成分を取り出すことができます。

クレストファクタとは?

クレストファクタは、波高率と呼ばれる値で、波形の実効値と波高値との比となります。

正弦波の場合、実効値100Vのとき、波高値は141Vですので、クレストファクタは、1.4となります。

計測器の入力端子には正しく測定できる範囲として、仕様書にクレストファクタが定められています。
例として、電圧計の仕様が、600Vレンジ、クレストファクタ3である場合を説明します。
600Vレンジは、実効値600Vまで測定できることを意味します。
クレストファクタが3ですので、600Vの3倍にあたる1800V以下の波高を持つ、実効値600Vの波形を測定できることになります。正弦波のクレストファクタは1.4ですので、600Vの正弦波を測定できます。