空調/ボイラー設備の省エネ調査
省エネ目的のために、運用されている空調設備やボイラー設備等の現状を調査する業務があります。こんなときもGENNECT Remoteを使用した遠隔計測により、非常に効率よく調査することができます。
この活用事例では、遠隔計測により得られる効果として、次の観点で説明していきます。
- 測定品質の向上: リアルタイムに測定グラフを監視できる
- 出張回数の削減: データ回収のための出張は必要なし
- 簡単な操作で得られる遠隔計測システム: 測定器をゲートウェイにLAN接続するだけ
- 測定時間の短縮: 測定と解析を同時進行して時間短縮
省エネ調査のための計測器とセンサ
空調設備やボイラー設備の省エネ調査をするには、ロガーと様々なセンサを組み合わせて測定します。下表にその一例を上げます。
測定用途 | 計測器・センサ |
---|---|
空調設備 | ロガー + 温度センサ、湿度センサ、熱流センサ、風速計、O2センサ、CO2センサ、各種計装信号 |
ボイラー設備 | ロガー + 温度センサ、湿度センサ、流量センサ、熱流センサ、O2センサ、CO2センサ、各種計装信号 |
消費電力 | 電力計 + 電流クランプセンサ 電流ロガー + 電流クランプセンサ |
環境測定 | ロガー + 温度センサ、湿度センサ、騒音計、照度計 |
断熱材の評価 | ロガー + 温度センサ、湿度センサ、熱流センサ |
測定点は、現場により異なります。設備が一室に集まり、その一室で測定が完結する場合なら1台のデータロガーで十分かもしれません。設備と各部屋の環境を同時に測定する場合なら、データロガーを複数台使用したり、センサを引き回したりする必要があるでしょう。
データロガーには多チャネルタイプや少チャネルタイプがありますので、データロガーを適材適所に配置する必要があります。また最近のデータロガーはLANによる通信や、無線通信でデータを収集することができますので、フレキシブルに測定システムを組むことができます。
現場の困りごと
一概に調査と言っても、様々な工程があります。思った以上に工数がかかったり、現場環境の制限から思うように測定できなかったり、現場の困りごとも様々です。
- お客様への訪問回数が増えて、出張費用も時間もかかる
予備調査、測定器の設置、測定器とデータの回収、調査報告、と少なくとも4回の出張が必要になります。それ以外に測定ができていないなどの例外的な訪問がありますと、出張回数が増加します。
- 計測器のメモリが測定データでいっぱいになり、測定が途中で止まっていないか心配だ
データロガーの測定間隔を短くすると、細かなデータの変動を測定できますが、測定データファイルが肥大化します。この測定データファイルは測定器内のメモリに保存されています。最近の測定器ですとSDカードに保存されます。測定間隔が短くして、長期測定するとメモリがいっぱいになり測定が止まることがあります。
- データ回収のため現場訪問したら、設定が間違っていたり、センサが外れていたりして測定できていなかった。測定のやり直しか、、、。
熱電対を設備表面に貼り付けて測定していて、測定途中で外れていた経験はないでしょうか? そのため測定を一からやり直しとなりかねません。
- 測定途中で現在までのデータを回収したいが、部屋を開けると測定環境を乱すことになる
空調室やボイラー室へデータ回収のために出入りすると、室内に外気が入り環境が変わるので、測定値に影響を及ぼす可能性があります。同様に閉じた部屋で温湿度を測定しているときも、測定中は入室できません。
- データロガーや電力計など複数台の計測器を使用したとき、Excelでデータを束ねて、各データの時間軸を揃える作業が大変
データロガーでは高速な変動を測定したくて、測定間隔を10秒に設定しているけれど、電力計はデマンド管理に合わせて30分間隔でロギングすることがあります。データ解析するときにExcelで、データロガーと電力計のデータを1枚のグラフにまとめようとすると、データをPCにそれぞれ取り込んだり、時間軸を合わせたりすることに、思いの外、工数が取られることがあります。
GENNECT Remoteで解決
GENNECT Remoteを使った遠隔計測なら現場の困りごとを解決でき、時短・コストダウンにつながります。
- 計測器をゲートウェイにLAN接続するだけで遠隔計測開始
むずかしい操作はありません。計測器をゲートウェイにLAN接続するだけでクラウドサーバーに測定データが保存され始めます。そしてセキュリティも万全であることもGENNECT Remoteの特長です。
- リアルタイムにどこからでも測定値を見ることができる
モニター値(1分間隔の測定データ)がクラウドサーバーに保存されています。モニター値はWebブラウザでリアルタイムに見ることができます。測定途中でセンサが外れても、その異常なデータに気づくことができ、すぐに対処できます。

- データロガーも電力計も同じ時間軸のモニター値
測定器によらず登録したチャネルのモニター値は1枚のグラフ上に表示されます。つまり、複数台のデータロガーと複数台の電力計のモニター値のグラフが、現場に行かなくてもリアルタイムに見ることができます。
- 複数台のゲートウェイも同じ時間軸のモニター値
測定点が離れている場合、1台のゲートウェイにLAN接続できないので、複数台のゲートウェイを使用します。このときでも各ゲートウェイからクラウドサーバーへアップロードしたモニター値は1枚のグラフ上に表示することができます。
- 高速な変動データを取得したいときは遠隔ファイル取得機能
モニター値は1分間隔のロギングデータです。コンプレッサーの電力変動のようにもっと高速に測定したい測定項目があるかと思います。モニター値とは別に測定器の設定に従いロギングしたデータは測定器に保存されて、クラウドサーバーにアップロードされます。
例えば、電力計で10秒間隔に電力をロギングし電力計内のSDカードに保存すると同時にモニター値をクラウドサーバーに保存します。SDカード内の測定ファイルはクラウドサーバーに保存されて、いつでもダウンロードできます。
出張回数が確実に減る。測定時間も短くなる
GENNECT Remoteを使用しない従来法の場合、測定器とデータ回収をして始めてデータ解析できます。そして回収のために出張の必要があります。GENNECT Remoteを使用すれば、現場に出向く必要がなく、いつでもデータ回収し、データ解析を始めることができます。測定器の回収は調査報告を説明するための訪問時となります。
出張回数が減ることによる時短、経費削減につながりますが、実はこの点に大きな時短につながる要素が含まれています。
従来法では、予定していた測定期間が終わって始めてデータ解析の工程に進めます。測定途中のデータを見ることができませんので、当然のやり方です。
GENNECT Remoteなら、測定期間の途中でもいつでもデータをリアルタイムに見ることができるので、もしデータ推移の傾向、例えば1日の使用量や無駄な運転をしていることがわかれば、その時点でデータをダウンロードして解析し始めることができます。
この違いは大きな時短を生み出し、さらに次のサイクルに進むことができます。
まずはご相談ください