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ユーザーインタビュー: 株式会社きんでん 切本裕基氏、山下雅人氏


株式会社きんでん
技術本部 エンジニアリング部 診断技術チーム
主任 切本 裕基氏
主任 山下 雅人氏

株式会社きんでんでは電力インフラの構築、電気設備・情報通信設備・空調設備工事など、社会のライフラインを支える事業を展開されています。近年では、新規の設備工事だけではなく、省エネや二酸化炭素排出量削減を目的として、ビル・工場・商業施設・公共施設などで老朽化した電気設備を高効率な設備にリニューアルする工事も増えてきています。

このような時代の変革を見極め、株式会社きんでんでは、変圧器の容量を最適化したときのコストメリットや、工事費用が何年で採算が合うかシミュレーションするなど、最高の省エネ効果かつ最高のコストパフォーマンスが出る提案書を作成しています。

今回は技術本部 エンジニアリング部 診断技術チーム 主任 切本裕基氏、主任 山下雅人氏に、リニューアル工事に至る設備診断のプロセスや、その中でGENNECT Remoteをどのように活用されているかについてお話を伺いました。聞き手は、GENNECT マーケティング担当の日置電機株式会社 宮田です。

※ 一部、旧GENNECT Remoteの情報を含みます。

電気設備のリニューアル工事にIoTで結果を出す

  • 山下氏 :

    お客様から受変電設備のリニューアル工事や、省エネ目的で電気設備の見直しを依頼されたとき、まずは現状把握のため変圧器単位で使用電力の変動を測定します。測定結果からお客様の使用電力を解析し、電力の使用状況に合った電気設備を提案します。例えば、20〜30年前の変圧器の場合、最新のトップランナー方式の変圧器に置き換えるだけでも省エネ効果があり、運用コストは下がります。

  • 宮田(日置電機) :

    測定業務にGENNECT Remoteをご活用いただいたということですか?

  • 山下氏:

    はい。測定器を設置した後、取り外すまでの間はお客様を訪問しなくても、きんでんの事務所でいつでもデータ収集でき、測定開始した翌日から解析を開始することができました。IoT技術の活用が時間の有効活用にもつながり、お客様によりよい提案書を作成することができます。

測定場所が離れていても1つのグラフ上で確認できるので便利です

  • 宮田:

    お客様のご依頼から、事前調査、測定業務、提案書の提出までの工程について、順を追って伺っていきたいと思います。

  • 山下氏 :

    まずはお客様を訪問して、安全に測定できるか、また測定器の設置スペースがあるか調査することから始まります。測定期間中は、お客様の設備に測定器を設置したままの状態になるため、配電盤の扉が閉まるか、測定器の電源を確保できるかなども確認します。

  • 宮田 :

    変圧器単位で測定するのですか?

  • 山下氏 :

    そうですね。使用電力の現状把握をしたいので、基本的には変圧器で使用電力を測定しています。お客様から各回路で測定を希望される場合もあります。測定する回路数に応じて電力計とデータロガーを組み合わせます。

  • 宮田 :

    配電盤に変圧器が複数台並んでいると、GENNECT Remoteのゲートウェイ1台に複数台の測定器をLANケーブルでつないで測定できます。しかし、大きい工場になると配電盤が点在していて距離が離れているときもあると思います。その場合どのように測定しましたか?

  • 切本氏 :

    あまり離れているとLANケーブルを敷くこともできませんから、ゲートウェイを2台使用しました。ゲートウェイの配置や台数も事前調査で決めていきます。

    従来ならお客様を訪問し、各配電盤に設置した測定器から個別にデータを収集する必要がありました。

  • 宮田 :

    そして測定業務ということになりますが、測定期間はどれくらいですか?

  • 切本氏 :

    お客様の設備の大きさによりますが、1週間の使用電力の変動を把握したいため、通常10日前後の間測定します。

  • 宮田 :

    GENNECT Remoteには1分間隔のロギングができる遠隔ロギング機能があります。この機能で最大値を測定しているのですか?

  • 山下氏 :

    遠隔ロギング機能を使って、最大、最小、平均値を保存して、最大値のみを報告書に使用しています。測定器本体にはもっと高速にロギングしていますが、使用電力の変動を解析するには1分間隔としています。

  • 宮田 :

    測定している間、それらの測定データをチェックしますか?

  • 切本氏 :

    はい。お客様を訪問することなく、いつでもすぐにデータを確認できることは便利です。

翌日から解析を開始できるので、お客様にとって魅力ある提案書の作成に注力できます

  • 宮田 :

    使用してみて、GENNECT Remoteのメリットはどのような点でしょうか?

  • 切本氏 :

    測定を開始した次の日から解析できることです。従来は、お客様を訪問して測定データを回収した後、きんでん事務所でパソコンにそれらの測定データを取り込んでから解析を始めていました。この差は大きいです。タイムリーなデータ取得により業務が高効率化され、お客様にとって魅力ある提案内容の検討に注力できます。

  • 宮田 :

    人にしかできない仕事である、魅力ある提案書づくりにしっかりと時間をかけられる点は、IoTの活用に合っていると感じます。

  • 山下氏 :

    実際、グラフを作成するだけなら機械的な作業で、テンプレートに測定データを流し込むだけの作業となります。そこから特徴的な傾向を抽出したり、グラフに注釈を入れたり、電気設備を再設計する上で必要な情報を抜き出します。

  • 宮田 :

    測定している間にも並行して解析できるので、早い段階から傾向を把握できることは大きいですね。

  • 切本氏 :

    使用電力の変動グラフから、お客様に提案できることを考えます。この段階で変圧器容量の検討や概算見積書の他、省エネによる電気料金の削減や、設備投資全般の採算性などの資料も作成します。

  • 宮田 :

    そして、お客様へ報告書を提出する際には、報告会のようなこともあるのですか?

  • 切本氏 :

    そうですね。お客様の設備担当の方だけではなく、その上司の方も参加する報告会となります。

  • 宮田:

    測定器はこの報告会のときに回収するのですか?

  • 切本氏 :

    日程調整ができれば測定器の回収と報告会が同日で行えます。しかし、こればかりはお客様のスケジュールとの相談になりますので、必ずしも同日で行えるわけではありません。

    一方、依頼があってから報告までの日程が短い場合は、最初から業務スケジュールが決まります。いつでもデータを取得でき解析ができることは、大きなメリットの一つです。

出張経費だけではない、2名分の人件費も削減

  • 宮田 :

    GENNECT Remoteを導入したときは、最初から簡単に使えましたか?

  • 山下氏 :

    ゲートウェイを使用することも初めてですし、クラウドサーバーの知識も少ないので、やはり最初は不安要素がありました。そこできんでん事務所で一通り動作確認することで、不安が取り除かれたと感じました。現場では機器を接続した後の通信確認として、モバイル端末でデータがクラウドに上がっていることを確認します。

  • 宮田 :

    GENNECT Remoteのコストパフォーマンスはどうでしょうか?

  • 山下氏 :

    使わないときもライセンス費用がかかってしまいますので、測定業務の依頼が少なくなると、コスト高になってしまいます。

  • 宮田 :

    使用頻度にも依るところが大きいですね。

  • 切本氏 :

    測定器の設置や回収は、必ず2名で訪問します。2名の人件費込の費用と比較すると、GENNECT Remoteを使うことでコストダウンに繋がる場合があります。

  • 宮田 :

    なるほど。今後、使用電力の変動測定だけではなく、他の用途で稼働率が上がれば、もっとコストパフォーマンスもよくなりますね。

  • 切本氏 :

    電源品質調査や、保守業務でも活用できると考えています。

  • 宮田 :

    本日は、大変興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

(2019/2/18 株式会社きんでんにてインタビュー)

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