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ユーザーインタビュー: 信州大学 高村秀紀教授


信州大学 工学部 建築学科
高村秀紀教授
信州大学工学部建築学科の高村教授は、長野県内のハウスメーカーや東京の建築資材メーカーと共同で、建築資材の断熱/蓄熱効果を研究されています。

長野市内にある大学から30kmほど離れた雪深いエリアに実験施設があります。そこに同じ構造を持つ2棟の実験棟が並んでいます。1棟には新建材を施工して、もう1棟には施工せずに、断熱/蓄熱効果を比較します。実験棟内の空調を設定したり、外気温を考慮したりすることにより、様々な環境条件で新建材の効果を考察しています。

高村教授は一連の実験においてGENNECT Remoteを活用することで、県内外の遠方にいる共同研究者とリアルタイムにデータを共有し、実験の検証サイクルを大幅に短くすることに成功しました。

聞き手は、GENNECT マーケティング担当の日置電機株式会社 宮田です。

実験のスピードが2倍に

  • 宮田(日置電機):

    GENNECT Remoteをお使いになることで、高村先生の研究にどのようなメリットがありましたか?

  • 高村教授:

    リアルタイムに共同研究者と測定データを共有できることで、実験スピードが従来の2倍になりました。

  • 宮田:

    2倍も速くですか!? 具体的にはどのような実験プロセスになるのでしょうか?

  • 高村教授:

    実験棟の空調機器の設定を変えて、断熱効果などの実験データを取っています。従来なら、学生が現場へ行って測定データを回収し、まとめた後に共同研究者達にメールで共有していました。仮説とその解析結果を比較することによりわかったことや、次回の実験条件などの意見交換をして、次の実験に進みます。この一連のプロセスに2週間かかっていました。

  • 宮田:

    よくある実験のサイクルですね。なぜ実験のスピードが2倍にもなるのですか?

  • 高村教授:

    GENNECT Remoteを使うと、実験を始めて翌朝には、共同研究者と測定データを共有できています。仮説通りの結果になっているとわかれば、測定を継続するかどうかすぐに判断できますし、逆に仮説から大きく外れていると対策を打つこともできます。すぐに議論して、実験条件を変更し、次の実験を開始することができます。今まで2週間かかって1つの実験をしていたのが、1週間で実験できるようになりました。

  • 宮田:

    大学の隣に実験棟があれば良いのでしょうが、現場が遠いと実験の1サイクルに長い時間を要してしまうのですね。

  • 高村教授:

    そうです。ただ、仮に実験棟が近くても、従来なら測定データを回収して共有する作業が発生します。GENNECT Remoteなら各自がログインして見るだけです。机の前にいながら、みんなで共有できるということが非常にいいです。これまでは学生はデータの回収とまとめの作業に多くの時間を割かざるを得なかったのですが、データ自体をしっかり観察する時間が増えたため、学生自身の気づきも増えたと感じています。研究に携わる全員が、研究そのものに集中できるようになりました。これはお金には変えられない効果です。

夏も冬も短い

  • 宮田:

    外が暑かったり寒かったりと気温が大きく変わると、実験結果も影響を受けると思いますが、いかがでしょうか?

  • 高村教授:

    その通りです。夏は冷房、冬は暖房を入れて、断熱効果や蓄熱効果の実験を行います。つまり、夏にしかできない実験、冬にしかできない実験があります。その限られた期間に結果を出すためにも、一日一日が大切になります。

  • 宮田:

    1つの実験結果を得るために1週間かかるなら、1年間でもそれほどデータを取れないですね。

  • 高村教授:

    そう!そうなんですよ。実験期間を考えると夏も冬も短く、一日一日が本当に貴重になります。それに加えて、天気の影響も大きいです。例えば、暖冬だったら、実験期間がさらに短くなります。

  • 宮田:

    我々は夏も冬も長く感じてしまっていましたが、高村先生達はそのような悩みがあったのですね。GENNECT Remoteを使うことで、実験が効率的に進むとお聞きして、大変嬉しく感じます。

    さて、話は変わりますが、実験準備をするときには実験棟に人が出入りして外気が入ると思います。室内温度が落ち着くまで有効なデータが取れないという影響もあるのでしょうか?

  • 高村教授:

    それにも時間がかかります。そして、準備のときだけではなく、データ回収のときにも大きな影響があります。データ回収した日のデータは有効なデータとして使えないことがあります。GENNECT Remoteならデータ回収の必要がありませんので、その点でも優れていると思います。

    空調の設定を変更するだけなら、データ回収と比べて短時間で終わりますので、それほど大きく室内環境が乱されることがありません。その日のデータも有効に使えることは非常にありがたいです。なにしろ、夏も冬も短いですから。

GENNECT Remoteにより遠隔測定したグラフ
新建材を施工した棟は、熱流の出入りが少なく、断熱性能がよいことがわかる

測定やネットワークのプロではない。データがほしいだけ

  • 宮田:

    GENNECT Remoteの導入にあたり、大学の情報システム担当の方に許可を取るようなことをしましたか?

  • 高村教授:

    ネットワークのシステムを導入するときに、情報センターからの許可が必要になります。しかし、GENNECT Remoteの場合、特に必要ありませんでした。基本的にはホームページを閲覧していることと同じで、Webブラウザから全ての機能を使用できましたので、非常によかったです。

  • 宮田:

    情報システム担当者にセキュリティの確認や、ポート開放などを依頼する必要がない、ということもGENNECT Remoteの特長です。

  • 高村教授:

    その点はありがたかったですね。

    だいぶ前ですが、御社の別の古い測定システムを導入したことがあります。そのときは許可を取ることに大変苦労しました。情報システムの担当者から専門用語で説明されても、何を言っているのか理解できませんでした。担当者に、もっとわかりやすい説明をして欲しいとお願いしても、「その程度の用語もわからない人が使ってはいけない」と断られてしまって、八方塞がりでした。結局、御社のSEの手助けも借りて、何とか導入した経験があります。

    そして、導入後も測定システムを維持していくためには、1年に1回の割合で、安全セキュリティチェックを実施する決まりになっています。専門外のことは1年経つと全く覚えておらず、苦労を繰り返さなければなりませんでした。これでは使い続けることができません。GENNECT Remoteでも同じプロセスを踏まないといけなかったなら、恐らく導入していなかったと思います。

  • 宮田:

    相当なご苦労をお察しします。どんなに優れた研究者でも、測定のプロフェッショナルでも、ネットワークのプロフェッショナルでもありませんからね。

  • 高村教授:

    そう、そう、そう! やりたいことは、データがほしいだけなんです。GENNECT Remoteは、専門外の知識を必要としないから、使い続けることができます。

「こんなに簡単なら、これしかないだろ?」

  • 宮田:

    導入が簡単な分、今後も使用用途が広がり、さらにお役に立てることを期待しています。他にも何かメリットはありましたでしょうか?

  • 高村教授:

    どんな実験でも意外と欠測することが多いんです。例えば、研究室の学生に実験条件の変更をお願いしたら、測定器のスタートボタンを押し忘れていてデータが取れていなかったり、実験の途中で流量計の歯車が故障してしまって測定ができていなかったこともあります。1週間後にデータを回収に行って初めて欠測していることに気づくので、時間的な損失も精神的なショックも大きいです。繰り返しますが、夏も冬も短いですから。

  • 宮田:

    GENNECT Remoteなら、遠隔地からリアルタイムに測定値を見ることができますから、異常があればすぐに気づくことができるということですね?

  • 高村教授:

    そうです。最近では、毎朝研究室に来たら、最初にパソコンからデータをチェックするのが日課になりました。きちんとデータが取れていることが確認できるので安心します。今までの実験を振り返っても、当時、GENNECT Remoteがあれば便利だっただろうと思うことがあります。

    これだけ簡単に使えるので、これからも使い続けて行きたいと思います。「こんなに簡単なら、これしかないだろ?」と思える計測システムです。

  • 宮田:

    本日は、大変興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。高村先生達の開発された建築資材が一日も早く世に出て、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる家を楽しみにしています。

(2019/6/24 信州大学にてインタビュー)
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