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ユーザーインタビュー: 東京海洋大学 波津久達也教授


東京海洋大学 学術研究院
海洋電子機械工学部門
波津久達也教授
GENNECT Remoteを実験研究でご使用になった東京海洋大学の波津久教授へ訪問し、お話を伺いました。

地熱発電の配管保守作業効率化の研究に、東京-長崎間で遠隔計測

新エネルギーの一つとして、バイナリ地熱発電があります。地下の熱水の熱を利用したクリーンな発電方法として、主に温泉地で実用化されています。しかし、地熱水の配管の中にスケール(ミネラル成分の堆積物、いわゆる湯の花)が堆積すると発電能力が低下するため、定期的に発電機の運転を止め、スケールを除去しなければならないという問題があります。しかも配管の中でスケールが付いた場所を特定できないので、配管全体の交換や清掃が必要です。発電機の稼働率が下がる上、メンテナンス費用がかさみ、結果として、発電量に対する採算が合わないということが起こる懸念もあります。

波津久教授の研究はこれらの問題点を解決することが目的でした。すなわち、

  1. 遠隔地からスケール付着の状態を監視し、適切なタイミングで除去作業する
  2. 配管内のスケール付着場所を特定できる非破壊検査方法を確立して、配管交換/清掃を最小限に抑える
の2点がポイントです。

この研究はNEDO受託研究で進められて、成果を収められました。ポイント1.の遠隔監視にGENNECT Remoteが使用されていました。

聞き手は、GENNECT マーケティング担当の日置電機株式会社 宮田です。

出張は行かなきゃいけないときに行けるわけじゃないですから。

  • 宮田(日置電機) :

    今回の研究で遠隔計測を導入した理由はどのようなものでしょうか?

  • 波津久教授 :

    温泉地というのは東京の近くにはないので、往復の出張費用と時間がかかってしまうからです。それに、将来製品化を考えたときに遠隔地からでも状態監視できるシステムを実証することが研究目的の1つでした。

  • 宮田 :

    以前の実証研究では現地に出張して作業していたのでしょうか?

  • 波津久教授 :

    そうですね。1, 2ヶ月に1回の頻度で現場に行ってデータを研究室に持ち帰り、Excelで解析をしていました。GENNECT Remoteを使うと、それがリアルタイムにモニタリングできるようになり快適でしたね。

  • 宮田 :

    今回の研究でGENNECT Remoteを使用した期間は3ヶ月ということですが、何度出張されましたか?

  • 波津久教授 :

    測定器、センサ、ゲートウェイを設置するときの一度だけです。

    ときどきモニター表示を見ていると、あれ?と思う値が出ているときもありました。しかし経験上、温泉業者さんのメンテナンスが入っており、熱水を止めて温度が下がっただけだということがリアルタイムに理解できました。そのときのデータは取り除いてデータ解析すればよいということも、すぐに判断できますので、遠隔地からリアルタイムにモニタリングできることは非常に有用だなと思いますね。

  • 宮田 :

    コストはどうでしょうか?

  • 波津久教授 :

    リーズナブルです。出張費用と比較しても安いです。そして研究活動に自由度が広がりますね。出張は行かなきゃいけないときに行けるわけじゃないですから。GENNECT Remoteなら、見たいときに見れますし、データを取得したいときに取得できます。

  • 宮田 :

    1回の出張費用と比較しても十分お釣りが来ますね。

  • 波津久教授 :

    実は3ヶ月の間に、共同研究している秋田大学と東北大学がスケールの除去作業(デスケーリング)をやりました。本来だったら我々も現地に行ってスケール除去前後のデータを取りますが、そのときですら出張せずに遠隔モニタリングを見て、除去できていることが確認できました。

  • 宮田 :

    すごいですね。

  • 波津久教授 :

    はい!! これも遠隔モニタリングの好事例でした。

セキュリティと信頼性が非常に重要ですね

  • 宮田 :

    遠隔システムを自作するためには様々なハードルがあると思います。通信インフラ、データの保存場所、セキュリティとか。

  • 波津久教授 :

    当然、データのセキュリティは担保できていないとまずいですね。システムを選定したとき、GENNECT Remoteと性能比較する対象がなかったのが実情です。実際にGENNECT Remoteを使ってみると、オールインワンのシステムになっていて大変便利だな、と感じました。

    セキュリティの次に信頼性もとても重要ですね。例えばサーバーにトラブルが起きたとき、データがダウンロードできるか、といったことです。

  • 宮田 :

    システムを導入するときに情報システムの責任部署の検討や許可が必要になり、実は隠れた高いハードルになることがありますが、その点はいかがですか?

  • 波津久教授 :

    当然、許可は必要です。

  • 宮田 :

    導入にあたり、交渉は大変でしたか?

  • 波津久教授 :

    全然なかったです。大学のセキュリティは年々厳しくなっています。しかし、GENNECT Remoteなら基本的にホームページを閲覧していることと一緒なので、大きな問題はないと思います。

次に使うときはPro版です

  • 宮田 :

    ご使用になられた当時はBasic版しかなかったですが、遠隔ファイル取得と遠隔操作機能が加わったPro版も販売しています。

  • 波津久教授 :

    測定器の遠隔操作は使ってみたいですね。すばらしいです。

  • 宮田 :

    研究途中で測定器の設定を変更することはあるのですか?

  • 波津久教授 :

    そうですね。ありますね。例えば、ロガーのサンプリング周期を変えたいときがあります。スケールの成長を監視するだけなら、温泉水の成分にも依りますが、10分おきのデータで十分です。しかし、スケール除去のプロセスを研究する目的では、除去作業時に発電機の運転状態が変わる場合がありますので、瞬時の変化のデータを取る必要があります。このときは、一時的にサンプリング周期を速くして、分析できるデータを取りたいです。それを遠隔操作でできたらいいかもしれないですね。

  • 宮田 :

    研究ならではの要望ですね。

  • 波津久教授 :

    そうですね。

  • 宮田 :

    本日は、大変興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

(2018/9/13 東京海洋大学にてインタビュー)
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