電源品質パラメータとイベントの説明
電源のトラブルの現象を調査・解析するために必要とされているものが電源品質パラメータです。 電源品質パラメータを測定することで、電源品質の現状を把握することができます。
電源品質アナライザでは、電源品質パラメータの「異常値」や「異常波形」を検出するために、しきい値を設定します。 この設定したしきい値を超えたときを「イベント」と呼びます。 (しきい値は異常値を予測して設定した値なので、イベント発生時に必ずトラブル現象があるとは限りません。)
周波数変動
現象
一時的に周波数が増減し、正常に戻る
原因例
- 有効電力の需給バランスの変化
- 大容量発電機の遮断や系統事故による系統分離等で発生する周波数の変動
波及現象
- 同期電動機の回転数変動による製品不良の発生を引き起こすことがある
電圧スウェル (サージ)
現象
一時的に電圧が高くなり、正常に戻る
原因例
- 落雷や重負荷の電力ラインの開閉
- 大容量コンデンサバンクのスイッチング
- 一線地絡
- 大容量負荷の切離し時などで発生する瞬時的な電圧上昇
- 分散電源(太陽光発電など) の系統連系により電圧が上昇することもある
波及現象
- 機器の電源を損傷
- 機器の電源のリセット動作を引き起こす
トランジェント電圧 (インパルス)
現象
急峻な電圧変化で、ピーク電圧が高い
原因例
- 落雷
- サーキットブレーカーやリレーの接点障害や閉鎖
波及現象
発生源の近辺において、
- 電源の損傷
- リセット動作を引き起こす
フリッカ
現象
周期的に電球のちらつきなどが発生する
原因例
- 溶鉱炉・アーク溶接やサイリスタ制御負荷
- 太陽光発電用パワーコンディショナの停電を検知する機能の設定
波及現象
- 照明のちらつきや機器の変調
- フリッカの値が大きい場合には、ほとんどの人が照明のちらつきを不快と感じる
電圧ディップ (サグ)
現象
一時的に電圧が低くなり、正常に戻る
原因例
- 落雷などの自然現象
- 電力系統の地絡または短絡故障の発生から、故障を検出し遮断するとき
- モータ起動など負荷に大きな突入電流か
波及現象
- 機器の動作停止やリセット動作
- 放電灯の消灯
- 電動機の速度変動または停止
- 同期電動機および発電機の同期はずれ
停電 (瞬時停電、瞬停)
長期的な停電と、数周期だけの瞬時停電(瞬停)がある
現象
原因例
- 電力会社の事故(落雷等による送電停止など)
- 電源短絡等によるサーキットブレーカーのトリップなどによる、瞬時または短期/長期的な電源供給の停止
波及現象
最近では UPS(無停電電源) の普及により、コンピュータなどでは対策が取られることが多くなったが、停電により機器の動作停止やリセット動作などを引き起こすことがある。
高調波
現象
電圧・電流波形がひずむ現象
原因例
- 半導体制御装置が採用されている機器の電源
波及現象
- 高調波成分が大きくなると、モータ・トランスの異常発熱や騒音の増加
- 進相コンデンサに接続されているリアクトルの焼損
高次高調波成分
現象
電圧・電流波形がひずむことにより発生する数 kHz 以上のノイズ成分。 様々な周波数成分を含むことがある。
原因例
- 半導体制御装置が採用されている機器の電源
波及現象
- 機器の電源故障、リセット動作
- テレビ・ラジオなどから異音が発生
インターハーモニクス (中間高調波)
現象
基本波周波数の整数倍でない周波数成分
原因例
- 静止形周波数変換装置
- サイクロコンバータ
- セルビウス装置
- 誘導電動機
- 溶接機
- アーク炉
波及現象
- 電圧波形のゼロクロス変位による機器の故障、誤動作、性能劣化
不平衡
現象
三相交流の各相の電圧が異なったり、位相差が120度からずれたりする
原因例
- 動力ラインなど各相に接続された負荷の増減
- 偏った設備機器の稼働により、電圧・電流波形ひずみ、電圧降下や逆相電圧により発生
波及現象
- モータの回転ムラや騒音
- トルクの低下
- 3E ブレーカのトリップ
- トランスの過負荷発熱
- コンデンサ平滑形整流器の損失増加
突入電流
現象
瞬間的に流れる大電流
原因例
- 電気機器に電源を投入
- モーターの始動電流
波及現象
- POWER スイッチ接点やリレーの溶着
- ヒューズの溶断
- サーキットブレーカーの切断
- 整流回路などへの悪影響
- 電源電圧の不安定化およびそれに伴う電源を共有する機器などの動作停止やリセット動作
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