グロー式蛍光灯によるトランジェント電圧
電源品質異常の現象
- 不定期に電気機器が誤動作する
異常の原因
- グロー式蛍光灯が点灯する際に生じるトランジェント電圧が大きい
- トランジェント電圧が周囲の電気機器に影響し、誤動作している
調査方法
現象を記録する
- 電気機器が誤動作した時刻
- 誤動作したときに、負荷状態が変化した他の機器 (電源ON/OFF、運転の切替など)
電源品質アナライザで測定する
原因がわからないので、供給側から測定を始めて、負荷側に絞り込んでいきます。
ブレーカーに電源品質アナライザを接続し、イベント発生を待ちます。
GENNECT Remoteを使用すれば、イベントが発生したらメール等でお知らせし、測定現場に行かなくてもGENNECT Cloudよりイベントデータをダウンロードできます。
調査結果の解析
トランジェント電圧を捉えることができた
PQ3198で測定すると、トランジェント電圧のイベントを検出した。(※)
※ PQ3100でもトランジェントを検出できますが、PQ3198と比較して測定周波数帯域が低いため、今回の現象は捉えることができない可能性があります。
イベントデータを解析すると、約25μsの間に正弦波から、103.1V落ちていることがわかりました。
機器の誤動作が発生した時刻と一致するか確かめる
このトランジェント電圧が発生した時刻と、機器の誤動作した時刻が一致すれば、相関があると考えられます。 一致しない場合、次のようなことが考えられます。
- トランジェント電圧の大きさにより、誤動作する場合としない場合がある
- トランジェント電圧とは相関がなく、他の要因がある
さて、もし、誤動作の原因が、トランジェント電圧と判断したとき、次にこのトランジェントの原因を見つけて、改修しなければなりません。
グロー式蛍光灯が原因と断定する
もし同じ傾向のトランジェント現象が何度も発生しているなら、現象の記録と照らし合わせて、原因の仮説を立てることができるかもしれません。
測定により原因追究するなら、トランジェント電圧が発生するときのトランジェント電流が発生する電気回路を供給側から需要側へ追いかけていくことになります。 回路の分岐が多ければ、原因を確定するまでに非常に時間がかかります。
いずれの方法で追究するにしろ、この原因はグロー式蛍光灯であることがわかりました。
グロー式蛍光灯は、蛍光灯にグロー管が付いているもので、蛍光灯の種類の中では一番安価なものです。
蛍光灯は、点灯始動時に電極を予熱する必要があります。 蛍光灯の点灯前に、グロー管は高電圧を放電し、その熱で蛍光灯の電極を予熱します。
グロー管の最初の点滅時にトランジェント電圧が発生して、周囲の電気器具に影響を与えることがあります。
グロー式蛍光灯が点灯時の負荷電流を測定する
念のため、トランジェント電圧が発生したときの、原因となったグロー式蛍光灯の負荷電流を測定する。
瞬間的に、0.9602A流れてから、蛍光灯の予熱が完了し、点灯していることがわかります。
10ターン電流測定治具
通常、負荷電流用のクランプセンサは、小さな電流を測定することが苦手です。 そこで、10ターン電流測定治具を使用します。
クランプセンサに電流の方向が同じになるように、10回はさむと、10倍の大きさの電流を測定できます。 つまり、計測器に表示された測定値を1/10倍すれば、本当の電流値になります。
誤差は増えますが、クランプセンサの感度が足りないときに役立つ測定方法です。
まずはご相談ください