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工場での電圧ディップ

環境

測定箇所:日本国外のある工場 単相2線 100V電源ライン

異常内容

使用設備電源が故障

解析内容

電圧変動グラフ

電圧変動グラフからは、2 週間の測定データより以下のことが言えます。

供給電圧 電圧変動グラフ 電圧値
1 最大 青丸の部分 131.67 Vrms
2 最小 緑丸の部分 0.15 Vrms
3 平均 - 98.Vrms

青丸と緑丸の部分においては、十分なイベントデータが記録されていなかったため、十分な解析は行えませんでした。 この電圧変動グラフより読み取れる重要な事項は毎日夜間の 21:009:00(赤丸した部分)にかけて大きな電圧値の変動があり、その変動幅は、約 50V(75Vrms125Vrms の範囲)と大きいことです。

イベントデータ(電圧異常検出)

夜間に、電圧ディップ(電圧瞬時低下)が頻繁に発生しています。 多いときには 1 秒間に 5 回も発生しています。 電圧ディップの発生状況はどれも同じ傾向を示していました。

電圧ディップのうちの1つを例にとって分析します。

  1. 電圧ディップが始まり90Vrmsになると、商用電源からUPSに切替わっています。
  2. UPS に切替わると、電圧実効値は上昇して116Vrms(大きいときは125Vrms)になります。
  3. 電圧波形はその後、正弦波ではなく矩形波に切り替わります。
  4. 矩形波は 1.25 秒程連続して続いています。
  5. その後 UPS から商用電源に切り替わりますが、切り替わり時に一瞬だけ 78Vrms(小さいときは 75Vrms)まで低下しています。

解析結果からの分析(まとめ)

  1. 夜間(21 時~9 時)に、電源異常が頻発しています。
  2. 電源異常は電圧ディップを起点として始まります。
  3. 電圧ディップの発生で、商用電源から UPS に切り替わるときに電圧スウェルが発生しています。
  4. 商用電源が復帰して、UPS から商用電源に切り替わるときに電圧ディップが発生しています。

対策方法

  1. 根本的解決方法
    電圧ディップが頻発して、UPS に頻繁に切り替わることは UPS にとって良くありません。 電圧スウェルや電圧ディップにより、使用機器には過渡電流が流れて故障に至っていると思われます。 根本的な解決方法としては、供給電源を安定化して電圧ディップが発生しない状況にする必要があります。
  2. 他の解決方法
    使用している UPS は「常時商用給電方式(SPS)」です。 高価ですが「常時インバーター給電方式」のものに変更することにより、UPSに切り替わる際の電圧スウェルや電圧ディップを抑えることができます。 JIS 規格「無停電電源装置(UPS)-第 3 部:性能及び試験要求事項」(C4411-3, 2014 年発行) に、各種回路方式別にUPSを分類しています。
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