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絶縁抵抗の測定方法

絶縁抵抗測定には、線間絶縁抵抗と対地間絶縁抵抗の2種類があります。

測定手順

  1. 絶縁抵抗計の始業前点検
  2. 回路を切り離して停電状態にする。線間絶縁抵抗を測定するときは負荷(電気機器)を切り離す必要があります
  3. 検電器を使って、停電状態であることを確認する
  4. 試験電圧を設定する
  5. 絶縁抵抗計のプローブを接続する
  6. TESTボタンを押す。絶縁抵抗値が表示されます
  7. 被測定物を放電
  8. 試験が終われば復電

線間絶縁抵抗、対地間絶縁抵抗

絶縁抵抗を測定する箇所は大きく分けて、「線間絶縁抵抗」、「対地間絶縁抵抗」の2種類があります。

  • 線間絶縁抵抗: 各相間の絶縁抵抗の健全性を試験します。線間絶縁抵抗が劣化しますと、短絡状態になります。
  • 対地間絶縁抵抗: 各相と大地間の絶縁抵抗を試験します。対地間絶縁抵抗が劣化しますと、地絡状態になり、大地に流れる漏れ電流が大きくなります。
各相で絶縁抵抗を測定します

下表は一例となりますが、竣工検査と定期検査でそれぞれ次のような絶縁抵抗を測定します。

竣工検査では、全ての回路が正しく工事できていることを確認するため、全回路の線間と対地間絶縁抵抗を測定します。

一方、定期検査では、漏電を確認するため、対地間絶縁抵抗のみを測定することが多いです。高圧に関しては、線間絶縁抵抗も測定します。

線間絶縁抵抗 対地間絶縁抵抗
竣工検査試験

高圧: 全回路実施
低圧: 全回路実施

高圧: 全回路実施
低圧: 全回路実施

定期検査試験

高圧: 実施
低圧: 実施しないことが多い

高圧: 実施
低圧: 実施(分電盤単位または全回路)

線間絶縁抵抗

測定箇所
単相2線における線間絶縁抵抗測定の例。L-N間を試験する

各電源システムの線間絶縁抵抗の測定箇所は下表のようになります。 接地を除く全ての相の組み合わせを測定します。 相間絶縁抵抗は、各プローブをどちらの相に接続してもいいです。 赤プローブと黒プローブの接続を入れ替えても問題ありません。

単相2線 L-N間 の1種類
単相3線 L1-N間、L2-N間、L1-L2間 の3種類
三相3線 R-S間、S-T間、T-R間 の3種類
三相4線 R-S間、S-T間、T-R間、R-N間、S-N間、T-N間 の6種類
測定方法
  1. ブレーカーをオフにします
  2. 線間絶縁抵抗を測定するときは、接続されている全ての負荷(電気機器)を取り外します。
  3. 絶縁抵抗計を接続して測定します

負荷を取り外さずに線間絶縁抵抗を測定した場合に起きる事象例を、電球を付けたまま測定した場合で説明します。

絶縁抵抗を測定していますので、ブレーカーはオフになります。 そして、電球のスイッチがオンになっています。 この状態で線間絶縁抵抗を測定したとき、絶縁抵抗計から出力される直流電圧が、電球にかかることになり、直流電流が流れます。 絶縁抵抗計は電球の負荷抵抗を測定していることになります。 負荷抵抗が1kΩであったとしても、絶縁抵抗計は大きな抵抗しか測定できない計測器ですので、ゼロMΩと表示されます。

正しく線間絶縁抵抗を測定するには、電球のスイッチをオフにする必要があります。

試験電圧が負荷にかかり、線間絶縁抵抗を正しく測定できません。

対地間絶縁抵抗

測定箇所
単相2線における対地間絶縁抵抗の例。各相と接地間を試験する

各電源システムの対地間絶縁抵抗の測定箇所は下表のようになります。接地と各相の全ての組み合わせを測定します。 プローブの接続方法は、EARTH端子を接地側、LINE端子を相側に接続します。EARTH端子は接地に接続したまま、各相を測定するので、EARTH端子側は、ワニ口クリップを使用すると便利です。

単相2線 L-E間、N-E間 の2種類
単相3線 L1-E間、L2-E間、N-E間 の3種類
三相3線 R-E間、S-E間、T-E間 の3種類
三相4線 R-E間、S-E間、T-E間、N-E間 の4種類
測定方法
  1. ブレーカーをオフにします
  2. EARTH端子のワニ口クリップを接地端子に接続します
  3. LINE端子側のプローブを、盤の接地されている箇所(集中接地端子や、盤のネジなど)に当てて、導通チェックをします
  4. 絶縁抵抗計を各相に接続して測定します

対地間の絶縁抵抗を測定するとき、アース端子にワニ口クリップをはさんだ後、必ず導通チェックをする習慣を付けましょう。 測定する盤が変わったときなど、ワニ口クリップをはさみ直しますが、毎回正しくはさめている保証がないからです。

絶縁抵抗計のプローブの断線や、端子が外れていることを確認する

測定中の操作

TESTボタンを押すと、絶縁抵抗計から設定した電圧が出力されます。 TESTボタンは計測器本体にあります。 もし、L9788-10スイッチ付きリードを使用しているときは、プローブにもTESTボタンがあります。 どちらのTESTボタンを押しても電圧が出力されます。

電圧が出力している間は、本体の活線警告ランプ、またはL9788-10スイッチ付きリードのTESTボタンが赤く光ります。 このとき、高電圧が発生していますので、感電にご注意ください。

試験電圧が出力中、本体もしくはスイッチ付リードが点灯し、注意を促します

測定を開始すると、すぐに絶縁抵抗値が表示されます。

TESTボタンから手を離すと、電圧出力が止まり、測定が終了します。絶縁抵抗値がホールドされます。

と同時に、次の節で説明します、放電機能が働き、測定中に容量分に溜まった電荷を放電します。

デジタル表示の絶縁抵抗計の場合、もし合否判定値を設定していたら、測定値と合否判定値を比較して、その結果を表示します。

測定結果が合格の場合、スイッチ付リードが緑色に点灯します。不合格の場合、本体もスイッチ付リードも赤く点灯します

また、絶縁抵抗計をGENNECT Crossに接続しているなら、TESTボタンを離し、測定値がホールドされるタイミングで、測定データが転送されます。

ホールドしたタイミングで、計測器か測定値を転送します。

放電機能

絶縁抵抗には、大きく分けて抵抗性と容量性(コンデンサ)があります。 絶縁抵抗計は直流電圧を印加しますので、測定中は、容量性絶縁抵抗に充電されています。 測定が終わった後、充電されたままですと、感電の恐れがあります。 もし測定した箇所に触れたとき、充電電流が人体を通じて大地に流れます。

充電した試験電圧を放電機能で取り除きます

絶縁抵抗計には、放電機能が備わっています。 測定が終われば次の手順で放電してください。特に、絶縁抵抗値が安定するまでに時間がかかった場合、容量成分が多い可能性が高いので、放電操作が必要です。

放電機能の操作方法

  1. TESTボタンを離すと、絶縁抵抗計の内部ですぐに抵抗に接続されます。プローブは被測定物に付けたままにします
  2. その抵抗に充電電流が流れて、容量性絶縁抵抗は放電されます
  3. 放電中は高圧発生を示すLEDが光り続けます。
  4. LEDが消えれば放電終了です。プローブを外して結構です

なお、通電状態でも容量性絶縁抵抗に高圧がかかっていますが、交流電圧(50/60Hz)であるため充電されません。 絶縁抵抗計は直流電圧を発生するため、充電されます。

GENNECT Crossによる測定結果の記録

写真図面測定機能で絶縁抵抗測定の報告書を簡単に作成できます

竣工検査においても、保守点検においても、絶縁抵抗の測定値を記録して報告書にまとめます。 従来なら、現場では測定値を紙に控えておいて、事務所に戻ったときにパソコンに打ち込んで報告書を作成していました。

GENNECT Cross(無料のスマートフォン用アプリ)の写真図面測定機能を使えば、現場で報告書を作成することができます。

写真図面測定機能は、スマートフォンで撮った写真の上に、測定値を任意の場所に配置できる機能です。 絶縁抵抗計とスマートフォンをBluetooth®通信で接続し測定値を転送できますので、入力の手間もありません。

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