試験電圧、合否判定値の決め方
試験電圧の決め方
内線規程に、試験電圧と使用例との関係が表にまとまっています。しかし、これは一例であり、現場により異なります。工事仕様、検査仕様などで決められていますので、現場の指示に従ってください。
注意:
間違った試験電圧で試験することにより、次の危険性があります。 正しい試験電圧で測定するようにしましょう。
- 規定以上の電圧で試験した場合: 機器(被測定物)の損傷の可能性があります
- 規定以下の電圧で試験した場合: 絶縁状態を正しく判定できません
2022年版 内線規程 資料1-3-25
内線規程に、試験電圧と使用例との関係が表にまとまっています。 詳しくは、内線規程をご覧ください。
| 定格測定電圧 | 使用例 | 種別 |
|---|---|---|
| 100V/125V |
| 絶縁抵抗計 |
| 250V |
| 絶縁抵抗計 |
| 500V |
| 絶縁抵抗計 |
| PV絶縁抵抗計 | |
| 1000V |
| 絶縁抵抗計 |
| PV絶縁抵抗計 |
※ JISC 1302:2018 絶縁抵抗計 解説表1より転載
合否判定値の決め方
電気設備に関する技術基準を定める省令第58条
電気設備に関する技術基準を定める省令第58条において、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに、次の絶縁抵抗値以上であることが定められています。
この基準によると100V系の絶縁抵抗を測定したときの合否判定値は0.1MΩということになります。 しかし、絶縁抵抗値は温湿度や経年変化により変化するため、測定した値が0.1MΩ付近である場合は、もう劣化状態である(あるいは極めて近い)と考えた方がいいです。
例えば、年次定期点検で、絶縁抵抗値が0.1MΩであった場合、これからの1年間でますます劣化が進み、来年の点検では0.1MΩ未満になる可能性が非常に高くなります。もしかしたら、明日、湿度が高くなり、0.1MΩ未満になるかもしれません。
よって省令第58条に定められてる絶縁抵抗値は最低限の値として考えておきましょう。
| 電路の使用電圧の区分 | 絶縁抵抗値 | |
|---|---|---|
| 300V以下 | 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう、以下同じ)が150V以下の場合 | 0.1MΩ |
| その他の場合 | 0.2MΩ | |
| 300Vを超えるもの | 0.4MΩ |
※ 電気設備に関する技術基準を定める省令第58条より
定期点検における現実的な合否判定値の決め方
以上のことから、定期点検に電気設備に関する技術基準で定められている絶縁抵抗値を使用することは、あまりありません。 現場ごとに合否判定値が定まっていることもありますので、検査仕様書や現場の指示に従って測定してください。
もし合否判定が定まっておらず、測定者に任せられている場合もあります。 合否判定の一例として、絶縁抵抗値が2桁つまり10MΩ以上であれば合格、1桁なら注意と判定します。 注意判定の回路は前年の測定値と見比べます。 急激に値が低くなっているのであれば、次回の定期点検までには絶縁劣化しているかもしれません。 測定値としては低くても、前年と同じ値であれば、問題ないかもしれません。
竣工検査における合否判定値の決め方
竣工検査をするときは、電気設備が新設であるので、絶縁状態が良好であることが当たり前です。 工事仕様書に従って合否判定をしてください。
工事仕様書に書かれている基準は、国土交通省が発行している公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)を参照して書かれていることがあります。 この仕様書の「2.18.2 施工の試験」には、「開閉器等で区切ることのできる電路ごとに 5MΩ以上とする。 ただし、 機器が接続された状態では 1MΩ以上とする」と書かれています。
絶縁抵抗計に合否判定させる
デジタルメガーには、合否を自動判定してくれる、非常に便利な機能があります。 あらかじめ絶縁抵抗計本体で設定した合否判定値(下図の場合、500MΩ)と測定値を比較して、合格ならプローブの手元スイッチが緑色に光ります。 不合格なら、LCDのバックライトと手元スイッチが赤く光り、ブザーが鳴ります。
さらにGENNECT Crossの「良否判定機能」を使用すれば、測定値と判定が自動的に保存されていきます。また測定値のばらつきを見るために、グラフでも表示できます。
まずはご相談ください